従業員の不用意なSNS投稿がトラブルに発展し、会社に大きなダメージを与えるケースが後を絶ちません。
そもそも不用意な投稿をしてしまう従業員とはどういう人なのでしょう。どんな心理で不適切な投稿をするのでしょうか。
◆不適切な投稿をしてしまう心理◆
・友人とおしゃべり感覚
ちょっと聞いて!今日こんなことがあって・・・と友人とおしゃべりする感覚で、芸能人が来店したことや顧客や取引先にムカついたことなどを悪気なく投稿してしまうタイプ。普段、仲間だけでやりとりしていると、SNSをメールやグループチャットのように勘違いしているのでしょう。
誰もが見られるということを忘れて不用意な投稿をしてしまうのでしょう。
・悪ふざけ
悪ふざけやバカげた行為を披露して反響の大きさを楽しむタイプです。もっと反響を得たくて悪ふざけがエスカーレートするのでしょう。
・自己顕示欲
職権で得た情報、他の人はまだ知らない情報を発信したいという自己顕示欲から情報漏えいなど不適切な投稿をしてしまうタイプです。
◆会社の評判が下がっても関係ない?!◆
匿名だから大丈夫と考えているのかも知れませんが、匿名でも過去の投稿内容や投稿写真、友達関係から勤務先や個人が特定されることもあります。
こういう人達は、投稿する際に「社内の規則違反にならないか」「職場に迷惑がかからないか」などいちいち気にはしたりしていません。
特に学生さんやアルバイトは会社への帰属意識が低い傾向にあり、会社の評判が下がろうと自分には関係ないと考えている人も多いでしょう。
仕事で知りえた秘密を守らなければならないという意識も薄いかもしれません。
◆懲戒処分を規定しても・・◆
そう考えると「会社に迷惑をかけることになるからやつてはいけない」と言ってもあまり意味がないかもしれません。
また、懲戒処分を規則として整備しても、そもそも規則を読んでいない人が多いでしょうし、懲戒と言ってもピンとこないため、不適切な投稿を未然に防ぐのに有効ともいえません。
「やってはいけないこと」を具体的に示す場合、「機密情報や個人情報の の漏えいに繋がる投稿はしてはいけません」では不十分です。
採用時に誓約書にサインさせることも大切ですが、採用時に一度読んだ だだけの内容をしっかり理解して守り続けるのは難しいかもしれません 。たとえば上記のような対策、上記のようなレベルまで具体的に示して
おく必要があります。
そもそも写真を撮らせないというのもひとつの方法かもしれません。
社会保険労務士 川﨑美嘉子