テレワーク定着に向けて


テレワークの定着に向けて

集中できない?

コミュニケーションがとりにくい?

新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、多くの会社がテレワークを実施し、急速に導入が進みました。テレワークには多くのメリットがある一方で、実際に実施してみて明らかになった問題点や悩みもあるでしょう。

 

☆☆☆集中できない☆☆☆

株式会社ビズヒッツの調査結果によると、リモートワークの悩みとして一番多かったのは「家族がいて集中できない」でした。特にコロナ禍では、保育園や学校が休みになり子供が家にいる状態で在宅勤務をした人も多かったと思います。子供に、たびたび仕事を中断させられる、家族が見ているテレビの音が気になる・・と言った声もありました。本来は、子供は保育園に預けて、会社にいるときと同様に朝9時から夕方6時まで仕事をするなど、自宅であってもきっちり時間を決めて集中できる環境で実施するのが望ましいのですが、今回のような状況下では仕方がありません。その他、同じ調査結果の第3位には「集中力が続かない/やる気が出ない」という悩みが上がっています。自宅にはテレビや雑誌と言った誘惑が多く、オフィスに比べて集中できない人も多いようです。

 

★★★解決のヒント★★★

ビズヒッツの調査結果では、快適なリモートワークのために工夫したこととして「仕事時間と休憩時間のメリハリ」が断トツの1位でした。

具体的には、「通勤しているときと同じ時間に起きて仕事をする」「タイマーを使って仕事時間と休憩時間を管理する」「タスク管理をして仕事の完了が見えるようにする」というのが多かったほか、仕事のスイッチが入るよう「仕事前にコーヒーを淹れる」などのルーティンを作っている人も見受けられました。

以前から、在宅勤務では長時間労働になりやすいことが指摘されています。通勤しているときと同じように「定時」を意識して働き、休憩もきちんととるなどメリハリをつけることが大切なポイントとなるでしょう。都市部であれば「コワーキングスペース」を利用する方法もあります。人の目があることにより緊張感をもって仕事をすることができます。

 

ランキング リモートワークの悩み 人数(人)
  1位 家族がいて集中できない 163
2位 コミュケーションがとりにくい 139
3位 集中力が続かない/やる気が出ない 134
4位 自宅ではできない仕事がある 91
5位 仕事環境が整っていない 84
同5位 ネット環境が悪い 84
6位 オン・オフの切替が難しい 72
7位 運動不足/間食が増えた 67
8位 水道光熱費・通信費がかさむ 30
9位 近隣の音が気になる 14
10位 WEB会議で映る部屋 13

 

ランキング 快適なリモートワークのために工夫したこと 人数(人)
 1位 仕事時間と休憩時間のメリハリ 268
2位 デスクや椅子の購入 132
3位 BGМをかける 124
4位 1人になれる空間を作る 103
5位 運動・ストレッチ 83
6位 部屋やデスクまわりの整理 78
7位 好きな飲み物を用意する 64
8位 パソコン・ネットの環境の整備 62
9位 気が散るものの排除 48
10位 身なりを整える 45

出典 : リモートワークの悩みに関する意識調査(ビズヒッツ調べ)

 

 

☆☆☆机や、周辺機器がない☆☆☆

作業に適した机や椅子がないという悩みも多いようです。短時間のパソコン作業であればダイニングテーブルや座卓でも問題ないかもしれませんが、ある程度長い時間を毎日となると、肩や首・腰を痛める原因となります。プリンターやwebカメラなど必要な機器がないため仕事がしづらい、ネット環境が整っていないため通信が途切れるといった悩みもあります。今回の在宅勤務で必要になり、家具や周辺機器を買い揃えたという人や、ネット回線を契約した人もいるでしょう。

 

★★★解決のヒント★★★

業務にかかる費用は雇う側が負担するのが原則です。労働者に費用を負担させる場合はあらかじめその旨を取り決めておかなければなりません。会社で不要になった椅子や機器を支給したり在宅勤務の支度金として数万円の一時金を支給する会社もあります。また、通信費や光熱費など、切り分けが難しい費用について「在宅勤務手当」として一定額を支給しているところもあります。このように支給すべきものが増えると「在宅勤務はコストがかかる」と思うかもしれませんが、在宅勤務の頻度が高い社員については通勤定期券を支給せず、出社日のみ実費精算にしたりオフィスを縮小する会社も増えています。

 

☆☆☆不安感や孤独感☆☆☆

不安感や孤独感の問題もあります。パーソル総合研究所の調査によると、テレワーカー本人が抱いている不安の1位は「相手の気持ちが察しにくい」(39.5%)2位は「仕事をさぼっていると思われないか」(38.4%)でした。一方、テレワーカーをマネジメントしている上司の不安の1位は「業務の進捗が分かりにくい」(46.3%)、2位は「相手の気持ちが察しにくい」(44.9%)となっています。

本人の不安     上司の不安
1位 相手の気持ちが察しにくい 業務の進捗が分かりにくい
2位 仕事をさぼっていると思われないか 相手の気持ちが察しにくい

出典 : テレワークに関する不安感や孤独感について(パーソナル総合研究所)

 

★★★解決のヒント★★★

パーソル総合研究所では調査結果について、「観察力の高い上司は、テレワーカーと信頼関係を築いている。上司と部下の信頼関係はテレワーカーの評価面の不安や孤独感を抑制していた。さらに、出社者のテレワーカーに対する疑念・不満感の抑制も確認された。」と分析しています。上司の観察力がカギとなるようです。では、上司は部下であるテレワーカーのどのような点を観察して把握おくべきでしょうか。分析では、

・スキルに関する情報

・業務に関する情報

・キャリアの意向に関する情報

これらをきちんと把握するこことで、テレワーカーが抱える評価面の不安を緩和できるとしています。

 

☆☆☆コミュニケーション☆☆☆

コミュニケーションの問題も避けては通れません。エン・ジャパンの調査によると、テレワーク中の66%が「コミュニケーションが変化した」と回答しています。何が変わったかというと「対面でのコミュニケーションがなくなった」(64%)「コミュニケーションの総量が減った」(60%)などが上位を占めました。ただ、コミュニケーションの中でも「報告」や「連絡」は、対面に限らずメールなどでもしっかり行われています。一方、対面の場合と比べて大きく減るのが「相談」や「雑談」です。特に雑談は大幅に減っています。これについて、無駄な話が少なくなって効率が良くなった意見もありますが、意識してコミュニケーションを増やす工夫も行われているようです。

 

★★★解決のヒント★★★

エ ン・ジャパンの調査結果では、テレワークにおけるコミュニケーションの工夫でやってよかったこととして次のような意見が上がっていました。

・仕事の後、時間を決めてリモート飲み会を開催。居酒屋などのお店の席と違い、全員の顔を見ながらしゃべれるので楽しいし、普段しゃべらない人とも話せる。

・ビジネス向けチャットでの雑談チャンネルを作ったことで、コミュニケーションが生まれた。

 

今回のコロナ禍におけるテレワークについてたくさんの調査結果が発表されています。興味深いものをいくつかご紹介いたしました。

社会保険労務士 川﨑美嘉子

 

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