社長
配偶者を扶養している社員に配偶者手当を支給したんですが、
これからは育児と仕事の両立支援に力を入れたいので、配偶者手当を廃止しようかと思っているんです。
社労士
手当ての廃止は労働条件の不利益変更になりますから、きちんと手順を踏んで進め ないといけませんね。
社長
手当ての廃止といっても、代わりに子供を保育所に通わせている社員に保育手当てを支給しようと思っています。
計算してみたら会社がトータルで支給する額は増えるんですよ。
社労士
専業主婦の奥さんはいるけれど保育園に通う子供はいないという社員はいませんか?
その人にとっては手当てが減ることになりますよね。
有利になる人もいれば不利益になる人もいるという場合でも
不利益変更に該当するんですよ。
社長
そーなんですか。じゃあ、どのように進めていけばいいんですか?
社労士
不利益になる人には同意をもらうのが原則です。
きちんと説明して納得してもらった上で同意書を書いてもらいましょう。
そして就業規則(賃金規程)も変更しておきましょう。
社長
もし同意してくれなかったら?
社労士
同意がえられなくても就業規則(賃金規程)の変更によって実施することは可能です。
その場合は「変更が合理的なもの」でなおかつ、
「変更後の就業規則を周知させている」必要があります。
社長
社労士
合理的かどうかは、
「不利益の程度」
「変更の必要性」
「代償措置」などをもとに判断されます。
今回は変わりに保育手当てを支給するので、
「代償措置」を講じていると言えるかもしれません。
このほか、配偶者手当をいきなり廃止するのではなく、余裕を持って知らせておくとか、
徐々に減らしていくなど経過措置を取ると安全です。
トラブルを防ぐためには一方的に廃止するのではなくて、
不利益になる人に配慮しながらていねいに進めていくのがポイントです!
原則は
労働者の同意が必要
変更が合理的なもので
変更後の就業規則を周知させている場合は
例外として