新型コロナ感染で労災保険を使うと保険料が高くなる?


Q 社員が病気やケガをして労災保険を使うと、保険料が高くなると思うのですが、新型コロナウイルスに感染してしばらく休んだ社員に労災保険を使った場合も高くなるのですが?

 

 

A 労災保険を使うと保険料が高くなる「メリット制」という仕組み適用されるのは、条件に当てはまる一部の事業だけです。

 

 

 

 

 

新型コロナウイルスに関する労災保険給付はメリット制に反映させないようにする特例が設けられる見込みです。

 

 

 

 

 

仕事でコロナに感染した場合は

仕事が原因で新型コロナウイルスに観戦した場合も、労災保険の対象となります。

感染症の場合、通常は自身の感染経路を証明することが必要となり、時間と労力がかかりますが、新型コロナウイルス感染症に関しては労災認定がされやすいように厚生労働省から通達が出ています。医療事業者が感染した場合は原則として労災認定されますし、他の業種でも顧客との接触が多い業務など一定要件に該当すれば認定されます。

厚生労働省が公表した令和3年11月末の集計によると、新型コロナウイルス感染症での労災申請は約2万2,000件あり、そのうち1万8,000件が支給決定(不支給は約300件)となっています。

しかし、これらをすべてメリット制に反映させると、特に医療などの事業において保険料が高くなりすぎるという問題が出てきます。また、事業主が十分に衛生環境の整備に努めても、新型コロナウイルスへの感染を完全に防ぐのは難しいのが現状です。

そのため、新型コロナウイルスに関する労災保険給付はメリット制に反映させないようにする特例が設けられる見込みです。

保険料負担が重くなることを懸念して新型コロナウイルス感染症に関する労災の申請を渋るようなことが起こらないようにする目的もあるようです。

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